砥石種類のざっくり説明と、砥石の面調整方法について紹介。
初心者レベルの砥石の話なので、天然砥石についてとか、どこそこの石がいい、等の高度な話ではございません。
私の砥石は人造砥石です。天然の高級砥石を使いこなせる技術もないので、人造で十分。
天然はもっと技術が身に付いたら、の楽しみにとっておきます。
写真の左から「荒砥」「中砥」「仕上げ砥」「修正砥石」、手前の小さいのが「名倉(なぐら)砥石」
粗さ
「荒砥」#80~#600ぐらい
「中砥」#700~#2000ぐらい
「仕上げ砥」#3000以上
荒砥はよほど大きく刃が欠けた、とかでないと私は、必要じゃないです。
だいたい中砥と仕上げ砥だけで足ります。
私の中砥と仕上げ砥は譲り受けたもので、正確な番手はわからないですが、
仕上げ度はもしかしたら「超仕上げ砥」で#10000~#12000ぐらいじゃないかと思います。一般的な仕上げ砥より、触るとかなりつるつる。
この砥石で仕上げた彫刻刀は木目とかきれいに出してくれて好きです。
■修正砥石(面直し砥石)について
彫刻刀やら革包丁、カンナ等、形状の違う刃物を研いでいると、まんべんなく使ってるつもりでも手癖で砥石の減りが偏ります。
そんな時、面を調整する修正砥石使います。
中・荒修正用や、中・仕上修正用など、砥石に合わせて粗さがいろいろあります。
専用で修正砥石を用意しなくても、厚みのあるガラス板に耐水ペーパー張り付けて擦る方法もあり。この時、ガラスはたわまない厚みのある物でないと置いた台のゆがみを拾ってしまうので注意。
耐水ペーパーも裏に両面テープ等で固定するとその厚みが影響するので、セロテープ等、裏面に干渉しない方法で固定してください。
私に砥石をくれた人は、「木工用の手押しカンナ盤の端に、耐水ペーパー貼って砥石を調整するのが安上がりでいいぞ!」と教えてくれました。
※手押しカンナ盤は左の写真のもの。
いやいや、いくら安上がりったって、普通の人はこんなの持ってないよっ!!!
この方法、当然却下です。
なので、修正砥石使う事にしました。
「名倉砥石」について
名倉はどう説明すればいいか・・・。研ぐときの潤滑油みたいな役目のもの。実際には油じゃないので表現違うかもしれませんが…。
この名倉砥石で砥石の表面をこすると細かい粒子の粒が溶け出してきて、その砥汁がたくさん出た状態で刃物を研ぐと、かなり研ぎやすいです。
本来は硬い天然の砥石の時に役立つものっぽい。
天然砥石は砥汁が出てくるまでに時間がかかるので、その手助けに良いとか、何とか。
なので人造砥石の私には不要な代物かも。
でも、名倉で砥石をこすると、きっちり平面出てる場合はピタッと張り付いて動かないぐらいになるので、
砥石の平面確認にはちょうどいい。(これなら調整名倉使うべきかもしれません・・・)
- 1.修正砥石を水につける。泡が出なくなるまで10分ぐらい
- 2.修正したい砥石に線を引く。この線の減り具合で平が出たか確認します
- 3.濃い砥石は白い線。でしっかり水につける。
- 4.砥石より修正砥石の方が小さいので均等になるよう注意しながらこする
- 5.斜めに線が残り、私の手癖が出てます
- 6.線がなくなるまで平らにする。このままだと面がザラザラなので、中砥とこすり合わせ張り付くぐらいまで平らにする。
- 7.名倉の使い方
- 8.こうやってこすると砥汁がでて研ぎやすくなります。
- 9.砥石の保存、100均の箸ケースがジャストサイズ!
- 10.使う前にこのまま水につけるだけ。バケツとかよりかさばらず、オススメ。
ポイント・アドバイス
■砥石の保存
洗って乾かしてから保管してます。
でも、頻繁に使う時期は水につけっぱなし。
だって完全に乾くまでに次に使う機会が来ちゃうもんで。
つけっぱなしは良くない、とかあるみたいですが
冬に凍結しない状況ならそれでもいいんじゃないかと思ってます。
■私に砥石くれた職人の話
この人によると、「刃物は貸しても砥石は貸さん」との事。
下手な人が研いで砥石がガタガタになると砥石の調整からしないといけないから、だとか。
とにかく、この人の研いだ刃物の切れ味は最高だった。
切れ味の持続時間が違う。
研いですぐは同じように切れるのだけど、私の研いだ刃物はすぐに切れ味が落ちる。
その点、この人の研いだ刃物は私の10倍ぐらい長く切れる。
やっぱり年季が違う。
この方、3歳から刃物研いで既に60歳過ぎ。
そりゃ、かなわんわ。
研ぎが上手になるコツ聞いたら、「毎日研げ」でした。
あぁ、ですよね…。できる範囲で…はい…。
刃物を使う職人さんは木工職人やら革職人やら色々出会ったが、
この人の刃物ほど「すごい研ぎ」には出会ってない。
そしてこの方、水ではなく灯油で研いでました。
水より粒子が細かくていい感じに仕上がる、と。
しかし家庭でやるには臭いし危険ですよ!
特殊な環境じゃないと無理だ。
でも、道具の使い方はその人次第。
ある程度のルールはあるだろうけど、
自分が使いやすい方法で自由にアレンジして良いんじゃないかな、と思った。
■ 道具・工具・材料の紹介
調整砥石
色々な調整砥石があります。
砥石より大きいサイズの調整砥石を使った方がより平らになりますが、
お値段もしますし、最初はお試し価格で買えるものから入ってもいいんじゃないでしょうか?
スエヒロ 「セラミック修正砥石」中・仕上修正用
私が使ってるのがこれ。
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「修正名倉」
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砥石の世界も奥深いですねぇ。
素人ではとてもとても。
でも、あくまで道具です。
とりあえず使ってみるところから始めればいいでしょう。
ある程度の「技術」がないと道具の違いは出ないと思います。